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大乗山 両徳寺

御正忌を通して


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御正忌報恩講が終わりました。当山では12月に行うのでその年の総決算という雰囲気がありますが、まさに今年の御正忌は総決算だったと思います。まず、参詣ですが、初日の昼こそぼちぼちという感じでしたが、2日目3日目の朝昼はほぼ満堂。そして大逮夜の晩も、久しぶりに50人を超えました。もちろん、これには色んな要因が絡んでいます。

・今回のご講師、天岸浄圓先生を慕って来られたお同行が数人いらっしゃったこと

・京仲組の門徒推進員の皆さんが仏書販売で来て下さったこと

・前住・住職が布教に行く会所のご門徒さんが参ってきてくれたこと

などで上積みされたのは事実なんですが、昨年比で参詣者が増えたことは本当にうれしいことでした。

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そして、数名の方が初めてお寺参りをして下さったんですが、あまりに嬉しいのでちょろっとエピソードを書かせて頂きます。

まず1人目の奥様は、数年前にご門徒さんになられた方でした。今までも何度かお誘いしていましたが、なかなかにご縁がありませんでした。でも、もう一度と思って、「どうしてもあなたに来てもらいたいんです。絶対に感じるところがあっるから」ということを月参りの際にお話したところ、「一緒に行く人がいれば」とのこと。ちょうど裏のお宅の方が参られる方だったので、協力してもらい、来ていただきました。法座終了後話しかけると、「やっぱり来てよかったです。これからはもう一人で来られます。また来ますね」ということでした。

感じたことが二つ。

・基本的にみんな山門をくぐるまでが大変ということ。この敷居をいかに下げる努力をするかが大事。今回のように、縁ある人に協力してもらうことが一番の近道ですね。

・今まで熱意が足りていたか。来てもらいたいといいながら、「なぜあなたに来てもらいたいのか」ということを、十分に意を尽くして伝えていただろうか?やっぱり想いを伝え続けることが大事ということ。

 

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2人目はご夫婦でご参詣でした。納骨堂をご縁に両徳寺の門徒になってくださいましたが、別に誰かが亡くなったわけではないので、お参りには伺っておりません。そんなお方を、ご門徒さんが誘って連れてきてくださいました。嬉しかったのは、「ここは雰囲気が良いですね。他のご門徒さんも含めて親しみやすいお寺ですね」と言ってくださったこと。もちろん、そうありたいと常々思ってはいますが、伝わったことが嬉しいことでした。心地よかったんでしょう。朝・昼と続けてお聴聞くださり、「次回もまた来ます」と帰っていかれました。親しみやすさ、これは維持していきたいですね。

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3人目。こちらは若いお母さんとお子さん3人の家族連れで来てくださった方々。前住職の法話を聞いたことがご縁で、今回は山口から行橋まで来て下さいました。それも、「子どもたちも行きたいというから」と、お子さん方もついてきたわけです。おかげで夜席の平均年齢がグッと下がりました^^「ここのお寺にはパワーがありますね、すごいとこに来たなと感じます」と仰ってくださいました。法座の雰囲気とか、ご門徒さんの関係の深さとか、そんな所から出てきた言葉だと思いますが、これもまた嬉しいですね。また感じたこと二つ。

・子どもにだって法座は開かれている

私自身、今年は小学校・高校・短大と学校での法話の機会を多く恵まれました。その中で分かっているのは、子どもだってこの法話を必要としている子たちがいるということです。本当に真剣な眼差しでご法話をお聴聞する子どもたちって絶対いるんです、どんな場にも。最近の子どもたちは自己肯定感が低いと言われます。でも、このご法義は存在の全面肯定です。私を受け止めてくれる場所がここにある、それが私にとって浄土真宗の最大の魅力の一つです。その一言を待っている子どもたちがいるんです。仏教は大人やお年寄りだけのものではないということをやっぱり伝えていかないとですね。どこかのお寺がしていましたが、御正忌の夜は家族総参拝日と。「御正忌の夜くらいは家族みんなでお参りしようや」という雰囲気を来年は作っていけたらいいなあと思いました。

・雰囲気づくり

法座の雰囲気を少しでも良くしよう、非日常空間を作り出してみよう、というのが大逮夜にはありますが、やっぱりそういうことを楽しみにしてくれる人もいるんですよね。若い人の集まりで、お寺の魅力は?と尋ねたときに「非日常」という答えが返ってきたことを覚えていますが、日常と違う時間の流れを感じれる場所があるということは、お寺の魅力なんですよね。そんな時間・空間を演出していく努力をやっぱり続けるべきだなぁと思いましたし、本当は法座毎の特色をもっとはっきりと打ち出したいという思いもあります。「いつも一緒やん」と思われたら、魅力がそがれてしまうので。やっぱりどうしたら参ってくる一人ひとりが法座に参ってくることを楽しみにしながら迎えることができるかを考え続けることは大切だなと改めて思いました。

 

他にも、「ほおずき夜市」からつながった方とか、自分自身が取り組んできたこと、声を掛けさせていただいた人とのご縁がたくさんつながった今年の御正忌でした。おかげでまた来年一年間頑張っていくエネルギーを自分自身が充填できた気がします。

何をいうても、いかに一人ひとりと向き合って過ごすことができるか、できれば参詣者は増えるし、出来なければ落ち込む(離れていく)。このことを大切に2017年生きていこうと思えた御正忌報恩講です。今からもう来年の御正忌が来ることが楽しみです。楽しみにできるように頑張ってまいります。今後ともどうぞ皆さんよろしくお願いします。

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