人の死に関わる場所、亡くなった人を思う場所。
たしかに間違いではありませんが、それだけの場所でもないのです。
浄土真宗の宗祖・親鸞聖人が尊敬され、倭国の教主と讃えられた聖徳太子様。
太子様のお建てになったお寺の一つに四天王寺というお寺があります。
このお寺は四箇院という四つの建物で構成されていました。
敬田院というお寺の本堂、療病院、施薬院という病院と薬局、そして悲田院という社会福祉施設です。
聖徳太子がお寺を人間の生老病死の解決のために建てたことがうかがわれます。
今、世の中には病院や福祉施設は溢れています。
しかし、それらが向き合ってくれるのは老いや病に伴う物理的な問題であって、
精神的な苦悩を問題にしてくれる場所がないのが現状です。
孤独を抱え、老いや病からくる悲しみ・苦しみを抱え、
死を迎えざるを得ない私に
私の悲しみや苦しみを受け止めて下さる阿弥陀様がここにおるよと
今ここで阿弥陀様と出遇って行く場所がお寺なのです。
一人でも多くの方にお寺へご参詣いただき、
恵まれたいのちを共に喜びながらの人生を歩ませてもらいたいと思っています。
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両徳寺では、月参りや法座への参詣などを通じ、多くの時間をお一人おひとりと過ごしたいと考えております。普段付き合いがあればこそ、悩みを打ち明けて下さったり、愚痴をこぼして下さったりします。もっと身近にお寺を感じて頂ければと思います。また、初参式や仏前結婚式などの儀式を通して人生の節目を共に喜ぶ活動もしております。お葬儀や法事だけの「その時だけ」の付き合いから、「一生」を通したお付き合いへと想いを傾けてもらえればと思います。
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「お寺での付き合いはいい。人とのしがらみがないから・・・」とは、壮年会の方の言葉です。仕事上の付き合いは利害の上に成り立っているので、仕事をやめればそれまでです。しかし、お寺での付き合いはいのち終わるまで続きます。まして、本当のこと、言いたくないことを堂々と言い合える仲間との出遇いなのです。世代を超え、世間のしがらみを超えて付き合っていける仲間と出会う場、それがお寺です。どなたでもご参加頂ける一日バスハイク「法の旅」などもございます。