春から始まった朝ドラ「とと姉ちゃん」も今週で終わりです。
こんなこと書くとずっと見ていたかのようですが、続けてみたかと思うと、子どもと格闘しているうちに終わっていたり。法務のどたばたで見逃したり。結局、あまり見られていません。
ただ、最近朝ドラの主題歌を歌っているアーティストが自分たち世代の人たちなのでそれだけで親近感が増すようになりました。次の「べっぴんさん」もミスチル。うれしいです。
さて、今回の「とと姉ちゃん」の主題歌は宇多田ヒカルさん。しばらくの休養明けの歌ですが良い歌ですよね。この歌詞を読むと、この6年間の休養中に彼女自身の身の上におきた大きな出来事の影響を感じずにはおられません。それは母の死と子どもの誕生です。そんな中で書かれた今回の歌「花束を君に」。僕が好きなフレーズはここ。
毎日の人知れぬ苦労や淋しみも無く
ただ楽しいことばかりだったら
愛なんて知らずに済んだのにな
普通の人とかアーティストの歌で表現されるのは、
人生辛いこともあるけれど、乗り越えていこうぜ。きっと明るい未来が待ってるから
と言うような、嬉しさ楽しさと悲しみを対比で描き、喜びを得ることが幸せであるという表現をとることが多いと思います。しかし、彼女の歌は「悲しみがあるから喜びを知る」というもの。その二つは相反するものではなく、一つのものとして表現してくれています。そこが彼女の感性の素晴らしい所だと感じます。仏教は「生死一如」。生が素晴らしく、死はつまらないもの、ダメなことというのではなく、死があるから生が輝く。終わりがあるから始まりがあると見ます。幸福と不幸があるのではなく、どんな出来事にも意味・価値がある。それを表現してくれているのです。
今週は敬愛中学校でのご法話があります。テーマは縁起。相依相関ということをこの歌を通して表現できたら良いなとか考えています。